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『とにかく、朝御飯にしてちょうだい。私はリビングにいるから。朝御飯が終わったら私は寝直すからその間に片付けときなさい。』
早口にそれだけ言うと幽香さんは、一瞬ドアの前で何かに迷ったように足を止めたものの、そのまま何も言わずにリビングに去っていった。
しかし、私は聞いてしまった。幽香さんが扉が閉まりきる直前に呟いた言葉を。
『――。』
その言葉に、私は小さく吹き出し、
『わたしは幽香さんが好きですから』
と、心の中で返事をして朝御飯に取りかかった。
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