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『―ー。』
バタン
リグルを台所に残して、私はリビングに向かう。
疲れた。認めたくはないが魅魔の言う通り、私は不器用なんだろう。
最後に絞り出した言葉だって、聞こえていないに違いない。
あれだけの言葉を言うだけなのに、顔は紅潮し、心拍数はあがっている。
この風見幽香が。
なんか悔しいので、あとで殴る事にする。
私のこんな姿を見たら魅魔は笑うだろうか。
リビングの前で、台所の方を向いて、もう一度さっきの言葉を繰り返す。
『…いつも、ありがとう』
いつか目の前で言ってやるから。と、決意を固めつつ私はリビングでちゃんとした朝御飯が出来るのを待つことにした。
~fin~
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