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―それは、ある一言がきっかけだった―
『なぁ、お前、あの蛍の娘を苛めすぎなんじゃないか?』
その言葉に対し、幽香の返事は、は?何を馬鹿な事を言っているの?という目線だった
しかし、並の妖怪なら震えあがるだろうその目線を意にもかいさず、目の前の旧友は更に言葉を続ける
『お前の性格は知ってるし、好きな子ほど苛めたいというのもわからなくは無いが、やはり限度と言うものはあるだろう。たまには優しくしてやったらどうだ?』
魅魔の言葉に幽香は不愉快そうに鼻をならす。
幽香だって、わかってはいるのだ。自分の不器用さを。
『…わからないのよ。』
『…ん?何がだ?』
『…どう接して良いかわからないの。』
私だって優しくしてやりたいと思う、と幽香は続けた。
しかし、どうすればいいかわからない。
誰かが自分の傍にいる事なんて今まで無かったし。
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