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周りで鳥の鳴き声が聞こえる。
木々のざわめきも耳へと入ってくる。
やけに体が汗ばんでいる。
(おかしい…)目を開けると白い布地が見えた。
上半身を起こすと、頭がクラクラとする。
眩暈も収まり、周りを見渡すと、そこがテントであることがわかった。
(昨日オレは同僚たちと酒を飲んで…)必死に過去を思い出そうとするが、(わからない…)飲んでからがわからないのだ。
家に帰った記憶がない。気づくとここで寝ていたのだ。
(ここは…どこだ?)立ち上がり、テントの外に出る。
見渡すと小川が流れ、木々がざわめいているだけだった。
(ここはどこなんだ!?)オレは訳が分からなくなり、もう一度テントの中へと入ってみた。
隅っこに木箱が置いてあり、オレは木箱を開けてみた。木箱には一枚の紙があり、
『田中仁様、今回あなた様には賞金5億円の権利が与えられました。あなた様がいらっしゃるのは、太平洋のある島でございます。ここに一週間、無事にいていただくだけで賞金5億円が進呈されます。
また、この島にはあなた様と同様、7名の日本人がいらっしゃいます。その方たちとは5億円を賭け、生存競争をしていただきます。一週間後、お迎えに上がりますので、そのときにお会いいたしましょう
それでは最期までがんばってください』
と書かれていた。
中蓋を開けると、カッターナイフ、マッチのみがちょこんと置かれていた。
オレは何が何だかわからず、ただその紙を読み返すだけだった……
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