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喫茶神山(カミヤマ)、ここが俺がバイトをしている店だ。学校から歩いて15分程の場所にある。
「こんちには。」
店内に入ると店独特の良いにおいがただよっている。
「直哉君かい?今日は忙しいからね。ほらさっさと着替えた着替えた!」
おじさんから店オリジナルのエプロンを渡され急かされる。
喫茶神山は、神山夫婦、と一人の娘さんで経営されている。娘さんは奈津(ナツ)と言い、高校を卒業して大学には進学せず店の手伝いをしている。
奈津さんはなんと言うか掴み所がなく、俺の苦手なタイプだ。
俺はエプロンを着けるとすぐに持ち場へと急いだ。料理はそれほどできないため、注文を取り料理を運ぶだけつまりウエイターだ。
「静(シズカ)さん、奈津さんこんにちは。」
持ち場へと向かう途中の挨拶も忘れない。神山一家はこういうところは厳しいからだ。
「あらぁ~直ちゃん!こんにちは!」
静さんに前、直ちゃんはやめてくれと頼んだのだが効果無し。もう諦めた。
奈津さんは……聞こえてないみたいだからまあいいや。
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