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いろいろ回想しているうちに妹を起こす時間になった。
妹は今年から中学生になった。顔つきや体は確実に子供から大人に変わりつつあるが、少々俺が甘やかし過ぎたのか今だに俺にべったりだ。
兄としては嬉しいやら悲しいやら複雑な気分だ。
現在住んでいるアパートはとても狭く必要最低限の物しか置いていない。
それゆえ寝るときは二つ布団を敷いてくっつけて寝ている。
「早紀(サキ)。時間だぞ…起きろ。」
隣で寝ている早紀を揺する。
「……うぅん……」
すると明らかに童顔であろう可愛らしい目が開き俺を捉えた。
「……お兄ちゃん?……おはよぅ。」
そして、起きるなりすぐに早紀は俺の方へ両手を差し出した。
これは俺達兄妹の挨拶みたいなもの…まあ要するに抱っこだ。
俺はいつものように早紀を抱き上げた。
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