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「……あれ?お兄ちゃんのは?」
俺の朝食が無いことに気付いたのか早紀が俺に尋ねた。
正直も何も今は家計を支えるのと借金をちょっとずつ支払うので精一杯の状況だ。むしろまったく足りないくらいだ。
削れるところで削らなければいけない。
「俺はもう食べたから。」
しかし早紀に心配なんてかけるわけにいかないので嘘をつく。
「ほんとに?」
とか言いながらも早紀は素直な子なので納得してくれた。
そろそろ俺も準備しなければいけない時間になった。
俺が立ち上がろうとしたとき…
「お兄ちゃん…あーん。」
「…早紀?」
「えっと…お兄ちゃん早紀より大きいから……」
早紀の好意を無下にできるはずもなく、俺は差し出された飯に素直にぱくついた。
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