ザディスト 荒井 虎之介

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私は思う。 この世に 王子様 なんていないって。 私は悟る。 先生が 「笑顔がキショイ」なんていった理由を 私は後悔する あのとき 美紀ちゃんやクラスメートの声を ちゃんと聞いていればって……… 「それじゃ、今日から今日子は俺の彼女なっ!!」 突然の呼び捨てに、驚いて顔を上げると 「付き合うんだから、呼び捨てでいいよね?」 って、恥ずかしそうに笑う虎くん。 私も恥ずかしくなって顔を伏し 「うん ///」 顔を真っ赤にさせて返事をする。 「じゃぁ、さ。さっそくだけど今日子。」 王子様のような彼氏に呼ばれて、再び顔を上げた私は、 目が 点 になる (・◇・)? へ?? 「喉、乾いた。茶買ってこい。」 誰?? 荒井 虎之介 「ほら、今日子は俺の彼女だろ?」 彼が 彼 ではなくなっていた。 さっきまでの王子の笑顔はどこへやら 「はやく買いに行けよ。」 その表情は、王子様というより、暴君。 教室の中や廊下から、 「ぁーあ、あの子、虎の餌食になっちゃったよ。」 なんて声が聞こえた。 私の彼氏になった 荒井虎之介。 荒れた虎のような 超がつくくらいのサディストな性格。 天国のパパ… 私がみつけた 学校のオアシスは 単なる蜃気楼でした。 あぁ、目眩がする……。。 .
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