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お兄ちゃんの異変は 私が中学校に入ったころから始まっていました。
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相沢 今日子 【11歳】中学1年生
相沢 全 【16歳】高校2年生
の 夏。
ミーンミーン…
五月蝿く鳴り響くセミの声…
なんと、
お兄ちゃんに彼女が出来ました。
夏休みに入る直前にできた、お兄ちゃんの彼女。
毎日のように家を訪れる綺麗なお姉さんに、私は 大好きなお兄ちゃんを 取られた気分で すこし悔しかったのを覚えている。
「今日子ちゃん、アイス食べる?」
それでも、綺麗で優しいお兄ちゃんの彼女を 好きになるまで 時間はかからなかった。
「今日子ちゃん、お姉ちゃんと遊ぼっか♪」
「うんっ♪」
夏休みが終わるころには、すっかり仲良くなっていた。
父親を早くに無くし、家を空けがちの母親の元で育った私達の家は、大人がいることが少なくて、
お兄ちゃんの彼女が 母親のように家事をしてくれていた。
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