小話

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(ダテサナ/学パロ) 恋愛なんて ベタばっか 「そ、そこの御仁!!!どいてくだされぇぇぇええ!!!」 「は…?」  ある休み時間のことだった。  ふらふらと廊下を歩いていた俺に、後ろから耳が痛くなるような叫び声が聞こえた。  何事かと振り返った先に居たのは、勢いを殺そうと足をばたつかせるも、此方へ突っ込んでくる一人の人物がいた。  見事な勢い過ぎてなかなかスピードは衰えず、気付いた時にはすぐ目の前まで迫ってきていた。 「うわっ!?」 「ぐはっ…!!!」  咄嗟に避けることは叶わず、真っ正面からそいつとぶつかってしまった。  その勢いの素晴らしいこと。  もろに腹にタックルを喰らった俺は受け身も取れずに床に倒れることとなった。  向こうも此方に向かった力が働いているために、俺の体の上に覆い被さるように倒れてきた。  その時、唇に何やら柔らかなものを感じた。  倒れたからだが、相手の顔が凄く近くに見える。  そこでようやく気付いてしまった。  俺の唇に触れているのが、そいつの唇だということに…。  頭は意外と冷静だった。  驚きに目を見張るそいつの顔をバカ面と思えるくらいには。 「あっ…」  唇をゆっくりと離し呆然とするそいつの顔は、やはりバカ面だった。  若干頬に赤みがさしているのは気のせいではないだろう。 「はっ、破廉恥で御座るぅぅうう!!!」 「へ…?」  我に返ったそいつはわなわなと震えだしたかと思うと脱兎のごとく来た道を走り去っていった。  置いていかれた俺はただ肩を竦めて溜め息をついた。 「まぁ、良いか」  これが、そいつとの、真田幸村との出会いだった。  そしてそいつと、俺が恋に落ちるだなんて、この時点では、俺は夢にも思っていなかったのである。 あとがき  ベタシチュエーション万歳\(^O^)/  ベタとはすなわち王道を行くことであるww(笑)  ちなみに続きません。
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