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「・・・こちら水雷長。
守原少尉、上がるよ。」
「どうぞ。」
一応の確認をとった後、私は垂直ラッタルを駆け上がり、狭い艦内から開放された艦橋へと出る。
―いつも思うけど、この瞬間は気持ちがいい。
密閉され、空気の循環が悪い艦内は、慣れない人にはかなりキツい。
幸い、私はいわゆる閉所恐怖症ではないが、
そんな体質の人には、乗艦はお勧めできないだろう。
え?いくら日本の軍艦の居住区域が劣悪でも、そんな表現はないだろうって?
いやいや、別に私が変に過敏な訳でもない。
実はこの艦には、艦内に窓と呼べる物が無のだ。
他の艦には出来ない事を・・海中へと身を潜める事を、可能とするためだ。
我が国では、日露戦争の後に正式に認められた艦種
即ち、潜水艦である。
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