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悪意はなかったとしても、どうしてもやり切れなくて。姉の気持ちを、受け取れたような気がしなくて。
「応援ありがとう」
そんな姉の気持ちを、しっかり受け取れた気がしなくて。
「はぁ……」
いつもなら、何かの拍子にげらげらと笑い合って喧嘩なんて終わってしまうのに。
蛍はどうしているだろう。こけたような音がしたけれど、怪我してないだろうか。
「光」
不意に、後ろから名前を呼ばれる。振り向くと、ニヤニヤとする姉の姿が。
「何ニヤニヤしてんの姉さんは。気持ち悪い」
「ひどーい」
棒読みでそんなこと言われても、とボソッと呟くと、姉はクスリと笑って隣のブランコに腰掛けた。
「蛍がリビングの隅っこで暗いオーラだして床に人差し指で不気味な円書いてるの、早くどうにかして」
姉が言った蛍の姿が容易に想像できてしまい、光はプッとふき出した。
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