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「そういえば蛍、こけてなかったか?」
「うん、盛大に」
接着剤踏みつけて床にぶちまけたわ。
遠い目をした付け加えられた言葉に、またもやふきだす。
あぁ、蛍は俺の目の前にいなくても俺を笑わせてくれる。
いつもふざけてて、お調子者で、子供で。でも辛い時は、その明るさに支えられて。
「感情的で子供で、たまに大人な蛍。冷静で大人で、たまに子供な光。蛍と光って、正反対よね」
考えていたことを読み取ったように姉はそう言った。
あぁ、正反対だ。でもうちの蛍光灯はその正反対の2本が揃ってないと、ちょっと暗いんだ。
お互い支えあって、母を、姉を照らしている。割れてしまったり、どちらかが消えてしまったりしたら、母か姉が、時には2人で取り替えてくれる。
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