通学路にて
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「おにいちゃん」 美紅が顔を上げて一輝を見た。 「どうした?」 「ううん、何でもない。ただ呼んでみただけ」 と言うと、無邪気な笑みを浮かべて体をさらに密着させた。 「またそのパターンかよ。これで5回目だよな」 「ブブー、違いまーす。正解は8回目でーす」 一輝はいいようのない脱力感に見舞われた。朝からこれではたまったものではない。
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