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「どうしたの?」
我に返ると、怪訝そうな表情をした妹がアップで迫っていた。
「いや、何でもない」
一輝は意図的にきっぱりと答えた。
「うそ、何でもないという顔していなかったもん。
あ、分かった、美紅があまりにも可愛いから見とれていたんだ。
それとも、美紅の絶対領域を見て、萌えーってなっていたのかなあ。やだっ、おにいちゃんのえっち」
口もとに手を軽く当てて、頬をほんのりと桜色に染める美紅。
ちなみに絶対領域とは、ニーソックスとスカートの間から見える太ももの素肌部分のことである。
この仕草と表情も我が妹ながら可愛いと一瞬思ったが、そんなことを考えている場合ではなかった。
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