新学期と書いてカオスと読む

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新学期、俺は無事に高校2年へと上がった   俺は学校へ向かうべく、この勾配が50度以上はあるんじゃないかと思うほどの坂を上っていた   そもそも、こんなのあっていいわけない、町は一体何を考えているんだ   まぁ、これも1年通えば慣れるわけだが、今日はそうもいかないのだ   「真幸~待って~」   後ろからそんな可愛い声がかけられる   しかし、以前は嬉しかった声は今では呆れ、俺は渋々振り返った       そこにはあの時の女の子 ”雛文 静花”がのびていた   「少し休もうよ~・・・」   「お前・・・遅刻すっぞ?」   「ブ~、真幸のいぢわる~」   膨れっ面で抵抗してくるがそんなもの無視だ   俺はスタスタと歩き始めると後ろから静花が「待ってよ~」とか言いながら走ってくる       さて、もう皆さん、お分かりですね?   静花さん、かなり純粋な子だと思ってたが、そんな事も無かったぜ!   今ではすっかり猫の皮も無く、素の静花がそこにいた   どうも少しやんちゃっぽいようだ   「ほら、後5メートルだぞ」   「おぶって~」   「諦めたらそこで試合終了ですよ」   ここで甘えさせたら色々といけないような気がした
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