脅威

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サムは足音が聞こえなくなってから、しばらく経った後にドアを開けて<狂乱者>の姿を確認してみる。 <狂乱者>は遠くまで歩いて行っていた。 サム『最悪の事態は避けられたな』 ディーン『俺の屁が出なかったことか?』 サム『いい加減にしろよ・・・・』 ディーン『楽にいこうぜ』 ディーンはへらへらと笑って見せたが、サムはまだ多少ドキドキしていたのだった。 ディーンはエンジンをかけてトラックを出発させた。 その後それといって大きなトラブルも無く、気付けば中心街に来ていた。 ディーン『駅前だよな?』 サム『そのはずだが・・・・・・・あれじゃないか?』 サムは遠くに見える事故現場を発見した。 サム『おい!あれ!!』 事故現場に近づくにつれ、ある建物にアンデッドが群がっているのが見えてきた。 そう。テラー一家のカフェである。 テラーはフォックスらに指示された通りに、<暴君α>に破壊された箇所をバリケードで補強したものの、そこにアンデッドが群がってしまったのだ。 幸いまだバリケードは突破されてはいない。 ディーンは最大限までアクセルを踏み込んだ。 ディーン『リサ。何かにつかまってろ』 ディーンは無線でリサに忠告し、リサは素直に、うん、と答えた。 ディーン『サム。俺がうまいこと、カフェの入口すれすれのとこに一回停止する。 そしたら中へ生存者を救出しに行くんだ。 その間、トラックをケツから店に突っ込ませるから生存者たちをコンテナに乗せろ』 サム『わかった』 トラックは猛スピードでアンデッドの集団に突っ込んだ。 ディーンは言葉通りに、トラックを店すれすれの位置に停止させる。 サムは急いで窓から身を乗り出し、銃でバリケードを壊し中に侵入していった。
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