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フォックスは多少なり打撲した体をアランの手を借りて、のっそりと起こした。
フォックス『尻に青たんできたかも』
マリー『あら。もてるんじゃない?』
フォックス『・・・・・見たいか?・・・・・・・なんて言ってる暇は無いな。
先を急ごう。俺の努力が無駄になる』
ウゥゥゥ
ウォォォォォォォォ
まだ爆煙の立ち込める2階の窓の奥から<暴君α>の叫び声が聞こえてきた。
声の程度から察するに<暴君α>はいたって元気そうだ。
アラン『さすがにさっきみたいに走って逃げるのはキツイな・・・・・なにか足代わりが・・・!』
アランがみんな乗れる規模の車を探し、辺りを見渡していると、向こうから見覚えのあるトラックが走って来るのが目に入った。
そう。
ディーンたちの乗ったトラックだ。
フォード『まさに地獄に仏だな』
マリー『うん。あれなら逃げ切れるはず』
5人は2階の窓に気を向けつつ、トラックに向かって走り出す。
幸い<暴君α>が現れる前にトラックと合流できた。
ディーン『奇遇だな。乗ってくか?』
ディーンは5人がおかれていた状況を当然のことながら理解してるわけもなく、意気揚々と話し掛けてきた。
アラン『急いでコンテナに乗れ』
アランはディーンに返答する余裕もなく助手席に乗り込むと、他の4人に指示を出した。
アランは4人がコンテナに乗ったのを確認すると、そこではじめてディーンの顔を見た。
ディーンはすぐさまアクセルを踏み、トラックを出した。
アランは運転するディーンの横顔を見てあることに気がつく。
アラン『・・・・・・おまえ泣いたか?』
ディーンの頬には涙のあとがみられる。
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