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<暴君α>は両腕を左右に広げ、天を仰ぎ咆哮した。
ディーンらが乗ったトラックは容赦なくそれを轢き、タイヤが<暴君α>を乗り越える度にトラックが大きく揺れた。
ディーン『やったか?』
アラン『どうかな。だがひとまず距離をおける。
今のうちにできるだけ離れよう』
アランはサイドミラー越しに地面に倒れ込んだ<暴君α>の姿を見ていた。
もし奴にも人間でいうところの血というものが流れているとしたら、トラックに轢かれたのにも関わらず流血はしていない。
アランは、戦いはまだ終わってはないのだと心の中では思ってはいたものの口にはしなかった。
マリー「そっちは大丈夫?こっちは全員無事よ」
コンテナからの無線がみんなの無事を伝える。
アランは無線を取り、自分たちの無事も伝えた。
マリー「これからどうするの?」
アラン『当初の予定通りさ。生存者を捜す』
すでに日は傾き出している。タレントシティは平地にあるので山際の夕日が綺麗に見えるところであった。
だが、今街の中から見えるのはウィークポインターが築いた冷たい壁だけであった。
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