脅威

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大型ヘリコプターが下に巨大なコンテナを吊しながらタレントシティを目指していた。 『博士。もうじきタレントシティ上空です』 ヘリコプターを操縦する兵士がマードッグに報告するが、マードッグは考え事をしていて返事をしなかった。 『博士?』 マードッグ『あ?・・・・あぁ、すまない。なんだって?』 『もうじきタレントシティ上空です』 マードッグ『あぁ、そうか』 マードッグは気の無い返事をしてからまた考え事を始める。 マードッグはタレントシティのバイオハザード報道をいかにすべきが悩んでいた。 今更ながら目の前の成果に意識を集中しすぎて細部まで気の配れなかった自分を悔やんだ。 マードッグ『はぁ』 『タレントシティ上空に到着しました。どういたしましょう?』 マードッグ『街の中心に行ってくれ』 マードッグはそう言うとパソコンを取り出した。 パソコンの画面には<征服者(カンカー)>の現在の身体状況がデータとなって表示されている。 マードッグ『こいつがアランたちを葬ってくれれば他の始末が楽になるな』 マードッグはパソコンを眺めながら不敵な笑みを浮かべた。 『街の中心付近に到着しました』 マードッグ『うむ。 ・・・・・・・この街からは誰も生きては出さん』 マードッグはパソコンを操作し、ヘリコプターに吊していたコンテナの連結部分を切り離した。 コンテナはタレントシティに降下していき、ちょうど事故現場付近に落下した。 マードッグ『さぁ。我々は戻ろう』 『はっ』 コンテナを落とし終えたヘリコプターはUターンをした後、タレントシティを離れていった。
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