眠れぬ森の王子

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――ガサガサ! みんなが寝静まっていた 朝方だったんだと思う。 空は気持ち悪い、 白と黒が入り混じってた。 雪も解け小さな新しい命が 咲き始める、 冬の終わり春の始まり。 がさがさ!! がさがさ!! そんな音に・・ ふと眼を覚ました。 隣の部屋から。 姉ちゃんの・・ 部屋からだった。 俺は 半分寝ぼけた頭で 姉ちゃんの部屋の ドアを開いた。 ここに入るなんて、 何年ぶりだろ? この部屋は。 恐れ多くて近づくことすら できなかったんだ。 ・・物音がする。 もしかして。 姉ちゃん、帰ってきてんの?
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