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「どうしてこんな事を起こしたんだ!?」
青谷先生の激昂。もはや前提には、自分が織崎を突き落とした事になっていた。
彼女が身投げをした場所。そこにクラスメートであろうが誰であろうが、人がいればそいつを疑うのは当然ではある。
しかし、最初から犯人扱いの決め付けはゴメン被りたい。疑いはすれど、信じる心を無くすのは愚の骨頂だな。
「青谷先生落ち着いて下さいよ。それじゃ、こいつが可哀想ですよ。
柏壬。まず、何があったか正直に先生に話してみろ」
担任は青谷先生――――青谷でいいや。よりもまともで、自分の話をとりあえず聞いてみてからにしたようだ。担任としての情けであろうな。
その情けに甘え。事のあらましと、事実だけを細かに担任に教えた。最後に「自分は何もしていません」と付け加えて。
担任が押し黙り、何か考えている事を好機と見たのか。青谷の馬鹿は、
「嘘をつくな! お前がやったんだろ!」
何を根拠として、自分が嘘を言っていると決めつけるのか知りたいね。人を疑う事しか知らず、話を聞こうともせずに、当の本人が自白するのを待つ気かね?
まぁ、何を証拠としてやってないと証明していないから、疑いが晴れないのは仕方がないと言えばそうだ。
この当然である理不尽を嘆かず、さてどうしたものかと考えようとしたら。担任は確認するかのように、自分に聞いた。
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