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「どうしたんだ柏壬。先生に何か用か?」
用が無ければ来ていませんよ。わざわざ晒し者なんかには、好きでなりたくはありませんから。
ここに来た用件を伝える前に、まずは確認の為聞いておく。
「あの、先生。織崎が運ばれた病院に行かれたんですよね?」
「ちゃんと行ってきたよ。
織崎の親御さんに泣きつかれたり怒られたり、たっぷりと絞られて来たがね」
ご苦労様な事で。担任の仕事なのだから同情などはしないが。
病院へちゃんと行ってきたのならば、用件を済ませるとしよう。
「織崎の具合はどうでした?」
「意識不明の重体。なんだが、命に別状はないと担当医は言っていた。体は大丈夫なようだが意識は戻らない状態だ。
にしても、お前が織崎の心配とはな」
「心配しますよ。いきなり目の前で飛び降られて、救急車でクラスメートが運ばれたんですよ。心配しない訳はありません」
そう、クラスメートを思いやる心優しい少年に偽装し、担任に嘯いてやった。
正直、織崎の心配はあまりしていない。死なれていたら困るな程度で、怪我の具合がどうとかは興味がない。
ただ、意識不明が少し手痛かったがまぁいい。優しい少年を偽装したまま、声を潜めて担任の耳元に言う。
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