菜月

3/14
前へ
/187ページ
次へ
「……私………アヤが好き。」 菜月の声が震えた。 「……うん。」 「いつも優しくて、私はアヤの笑顔が大好きだった。」 「…………。」 「迷わず絢斗にもう1度、告白しようとした。でもね、アヤのアメリカの話しを聞いた時……行くのは航平だと勘違いしたの。」 菜月の目から涙がこぼれ落ちた。 「その時に思った。」 「…………。」 「頭が真っ白になったの。当たり前に隣に住む航平が居なくなるって考えたら……怖くなったの。」 「………そっか…。」 「好きとか分からないけど、これだけは分かるの……航平を失いたくない……。」 「…………。」 「これが私の答え。……だからっ……アヤとは…付き合えないよ。」 肩を震わせて泣く菜月を抱きしめた。
/187ページ

最初のコメントを投稿しよう!

289人が本棚に入れています
本棚に追加