113人が本棚に入れています
本棚に追加
/230ページ
何だ。
この記憶。
オマエは、誰だ。
「…あっ…」
まさか。
オヤシロさまって。
血に染まった小さな少女。
「嘘だろう…。何で…オマエが…」
ずっと忘れてた。
まさかオマエがオヤシロさまだったなんて。
「…羽入…」
嘘だろう。
頼むから誰か嘘だと云ってくれよ。
少女は、もう動かない。
ずっとこのまま。
運命からは逃れることも出来ない。
こんなのって。
信じてたまるかよ。
「嘘だ…」
俺は、そう呟く。
「嘘だッッ!!!!」
そして、吼える。
何も変わらないその運命の中で。
体に纏う鎖も強くなり俺は、少女を抱えたまま。
やがて動かなくなった。
最初のコメントを投稿しよう!