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昨日、発作が酷くなり熱が出た。
苦しくて仕方なかった。
きっとこのまま俺は死んでしまうんだ。
もう意識が薄れていく。
これでやっと皆のところに。
「…皆…」
ゆっくりと目を閉じる。
「圭一クン」
レナの声。
「圭ちゃん」
魅音。
「圭一」
梨花ちゃん。
「圭一さん」
沙都子。
「…皆…」
俺は、瞳から流れるものに気づく。
「何、泣いてんのさ?圭ちゃんらしくないな」
魅音が茶化しながら俺の手を握る。
「圭一…。お帰りなさいなのですよ。にぱ~☆」
梨花ちゃんが頭を撫でてくれて。
「圭一クン。はうぅ~。泣かないで欲しいかな…かな…」
レナ。
「情けないですわね。圭一さん」
いつもの生意気口調の沙都子。
皆。
ここにいたんだ。
俺のこと。
待っててくれてたんだ。
「ごめんな…。待たせてよ…」
俺は、涙を拭う。
そして
「行こうぜっ!!皆っ!!」
笑顔の中。
現実の中の俺は、介抱虚しく息絶えた。
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