プロローグ

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   美穂さんが「ごめんね」と頭を下げると、ウェーブのかかった茶色い髪が揺れ、微かに甘い香りが漂った。白い肌は叔母さん譲りのようだが、色気の中に可愛らしさのある茶色い瞳は、叔母さんのきつい目の色には似ても似つかない。  気が付けば「何度も止めたんだけど」と、項垂れる彼女に「気にしないよ」と、逆に私が慰めていた。  それでも私の中の叔母さんへの不信感は、完全には消えることがなかった。  
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