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皐が寝てると確信を得た俺は、皐の体に跨がる。
跨がるっていっても皐の上には座ってないよ?
皐の胸辺りに膝立ちしているだけ。
頭……浮かして……枕を入れて、と。
あとは頭を降ろすだけ。
「……キスは?」
へ……?
「うわっ!?」
「いぃってぇ!!」
いきなり発せられた言葉に驚いた俺は、硬い枕に思いっ切り皐の頭を落としてしまった。
目の前、というより、俺の下で頭を抱える皐。
……起きてた? いつから?
別に聞かれちゃイケないことなんざ言ってないけどさ。
「……棗。詫びは?」
はい? なんだって?
「詫び?」
「詫び。俺様の頭を硬い枕に打ち付けやがった詫び」
「えぇ? おかしいだろ。だって、俺はただ皐が起きてたことに驚いただけであって…………つか、寝たふりすんのはいいのかよ?」
「いいんだよ。つか、なに? 棗は俺をどうしたいわけ? 欲求不満?」
皐の言葉により、自分の体制を考える。
上半身裸で皐の上に跨がっている。
誤解されても文句の言えない体制を俺はとっているわけで。
「……うぁっ!?」
慌てて降りようとする俺を、皐の手が阻止する。
「……キスくらいしてから降りようぜ」
んなっ!?
そういえば言ってたな! そんなこと!
「意味わかんねぇ! 離せよ!」
「昼間はあんなに名残惜しそうだったのに……」
「だぁぁぁあ! 馬鹿野郎! 言うな! 俺らは2人とも男だぞ? おかしいでしょうが!」
「BL本読んでる奴が言う台詞じゃあねぇなぁ?」
「う……だっ、大体! 今日会ったばっかだし!!」
「僕は恋愛に時間は関係ないと思いますがー?」
「だぁーかぁーらぁー!! そもそも俺はノーマ…………え? 皐、今なんて言った?」
今、変なこと言わなかったか?
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