2  棗Side

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皐が寝てると確信を得た俺は、皐の体に跨がる。 跨がるっていっても皐の上には座ってないよ? 皐の胸辺りに膝立ちしているだけ。 頭……浮かして……枕を入れて、と。 あとは頭を降ろすだけ。 「……キスは?」 へ……? 「うわっ!?」 「いぃってぇ!!」 いきなり発せられた言葉に驚いた俺は、硬い枕に思いっ切り皐の頭を落としてしまった。 目の前、というより、俺の下で頭を抱える皐。 ……起きてた? いつから? 別に聞かれちゃイケないことなんざ言ってないけどさ。 「……棗。詫びは?」 はい? なんだって? 「詫び?」 「詫び。俺様の頭を硬い枕に打ち付けやがった詫び」 「えぇ? おかしいだろ。だって、俺はただ皐が起きてたことに驚いただけであって…………つか、寝たふりすんのはいいのかよ?」 「いいんだよ。つか、なに? 棗は俺をどうしたいわけ? 欲求不満?」 皐の言葉により、自分の体制を考える。 上半身裸で皐の上に跨がっている。 誤解されても文句の言えない体制を俺はとっているわけで。 「……うぁっ!?」 慌てて降りようとする俺を、皐の手が阻止する。 「……キスくらいしてから降りようぜ」 んなっ!? そういえば言ってたな! そんなこと! 「意味わかんねぇ! 離せよ!」 「昼間はあんなに名残惜しそうだったのに……」 「だぁぁぁあ! 馬鹿野郎! 言うな! 俺らは2人とも男だぞ? おかしいでしょうが!」 「BL本読んでる奴が言う台詞じゃあねぇなぁ?」 「う……だっ、大体! 今日会ったばっかだし!!」 「僕は恋愛に時間は関係ないと思いますがー?」 「だぁーかぁーらぁー!! そもそも俺はノーマ…………え? 皐、今なんて言った?」 今、変なこと言わなかったか?  
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