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「あ? 別に2度も言うこと言ってないだろ?」
「恋愛って言った?」
「……は……?」
「遊びじゃないの? 俺のこと。皐、本気なの?」
そんなわけないよな? なんたって、会って1日だしな?
あんな台詞、気にすることは無かったのに、何故か俺は無性に気になってしまっていて。
皐を見ながら言うと、一瞬眉にしわを寄せるも、すぐに無表情に戻る。
ずっと掴まれていた腕を引き寄せられれば、小柄な俺は簡単に皐の胸に顔を伏せる体制になる。
「馬鹿は余計な詮索するな。馬鹿は馬鹿らしく悩んでもがいてろ」
「はぁ? んだよ、そ……れっ!?」
俺の下に居た皐はくるりと身を翻し、俺の視界は反転!
皐の白いTシャツから天井へと視界が広がる。
「うぇ?」
「変な声だな。楽しみだ。その気色悪い声がこれからどう変わっていくのか……」
これからってなんだよ!?
ころからずっとセクハラ行為をするみたいな言い方しやがって!
「ちょ、まじでやめろって! エロ魔神!」
「気持ち良くなれるんだ。何故拒む?」
「普通に考えろよ! おかしいのわかるだろ!」
「わからねぇなぁ? お前さ、昼間に言ってたのは女とのことか?」
昼間……? ……女……?
あぁ、あれか。
「経験だのなんだのってやつか? 女だったらなんだよ」
あぁっ!
なんでまた俺は素直に答えてんだよ!
皐はしばらく考え込むと、ニヤリと口角を上げて笑う。
「OK。理解した。相手が下手糞なんじゃなくてそもそも相手が居なかったのか。そして、餓鬼みてぇな思考回路から、童貞とみた。間違いねぇな?」
「…………」
今度は答えねぇぞ。
絶対に答えねぇぞ。
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