2  棗Side

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「あ? 別に2度も言うこと言ってないだろ?」 「恋愛って言った?」 「……は……?」 「遊びじゃないの? 俺のこと。皐、本気なの?」 そんなわけないよな? なんたって、会って1日だしな?  あんな台詞、気にすることは無かったのに、何故か俺は無性に気になってしまっていて。 皐を見ながら言うと、一瞬眉にしわを寄せるも、すぐに無表情に戻る。 ずっと掴まれていた腕を引き寄せられれば、小柄な俺は簡単に皐の胸に顔を伏せる体制になる。 「馬鹿は余計な詮索するな。馬鹿は馬鹿らしく悩んでもがいてろ」 「はぁ? んだよ、そ……れっ!?」 俺の下に居た皐はくるりと身を翻し、俺の視界は反転! 皐の白いTシャツから天井へと視界が広がる。 「うぇ?」 「変な声だな。楽しみだ。その気色悪い声がこれからどう変わっていくのか……」 これからってなんだよ!? ころからずっとセクハラ行為をするみたいな言い方しやがって! 「ちょ、まじでやめろって! エロ魔神!」 「気持ち良くなれるんだ。何故拒む?」 「普通に考えろよ! おかしいのわかるだろ!」 「わからねぇなぁ? お前さ、昼間に言ってたのは女とのことか?」 昼間……? ……女……? あぁ、あれか。 「経験だのなんだのってやつか? 女だったらなんだよ」 あぁっ! なんでまた俺は素直に答えてんだよ! 皐はしばらく考え込むと、ニヤリと口角を上げて笑う。 「OK。理解した。相手が下手糞なんじゃなくてそもそも相手が居なかったのか。そして、餓鬼みてぇな思考回路から、童貞とみた。間違いねぇな?」 「…………」 今度は答えねぇぞ。 絶対に答えねぇぞ。  
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