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「…………ん、……」
絡まる舌によって響く水音。
「……ふ………………っ!?」
な、なんだ!? 今の!
キスされてからどのくらい経った?
少なくとも20分は経ったか?
皐は俺の異変を感じたのか、チュッという音を立て、唇を離す。
「お、意外に早いな」
「今……なにしたの?」
突然だった。
ずっと撫でるように触られていた俺の胸。
今までずっとなにもなかったのに、いきなり、触られた箇所が熱くなるような……ピクリと反応し始めたんだ。
「強いて言うならば開発? 俺が上手いのか、お前の感度がいいのか……」
「か、かいは……!」
俺だってBL本を読んでるような奴だ。
『開発』の意味くらいわかってるつもりだ。
「皐、まじでふざけんなよ?」
「大丈夫。俺、上手いから。痛くしねぇよ」
「なっ!?」
その言葉に俺は盛大に赤面!
皐も俺の反応にビックリしたのか、しどろもどろに話し出す。
「お、おぉ。満更でもないみたいだな? 今日はこれでやめるつもりだったけど……どうする? 続きしたい?」
「けっこーーーーですっ!! さっさと風呂行け! 変態馬鹿!」
皐を部屋から押し出し、足音が遠退いていくのを確認すると、皐が着れる服を探した。
本当に、おかしい。
皐じゃなくて、俺が。
俺にこんなことする皐もおかしいけど……
俺がおかしい。
だって、俺には……
好きで……好きで堪らないあの人が居るんだから……。
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