2  棗Side

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「…………ん、……」 絡まる舌によって響く水音。 「……ふ………………っ!?」 な、なんだ!? 今の! キスされてからどのくらい経った? 少なくとも20分は経ったか? 皐は俺の異変を感じたのか、チュッという音を立て、唇を離す。 「お、意外に早いな」 「今……なにしたの?」 突然だった。 ずっと撫でるように触られていた俺の胸。 今までずっとなにもなかったのに、いきなり、触られた箇所が熱くなるような……ピクリと反応し始めたんだ。 「強いて言うならば開発? 俺が上手いのか、お前の感度がいいのか……」 「か、かいは……!」 俺だってBL本を読んでるような奴だ。 『開発』の意味くらいわかってるつもりだ。 「皐、まじでふざけんなよ?」 「大丈夫。俺、上手いから。痛くしねぇよ」 「なっ!?」 その言葉に俺は盛大に赤面! 皐も俺の反応にビックリしたのか、しどろもどろに話し出す。 「お、おぉ。満更でもないみたいだな? 今日はこれでやめるつもりだったけど……どうする? 続きしたい?」 「けっこーーーーですっ!! さっさと風呂行け! 変態馬鹿!」 皐を部屋から押し出し、足音が遠退いていくのを確認すると、皐が着れる服を探した。 本当に、おかしい。 皐じゃなくて、俺が。 俺にこんなことする皐もおかしいけど…… 俺がおかしい。 だって、俺には…… 好きで……好きで堪らないあの人が居るんだから……。  
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