3  皐Side

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一ノ瀬さんから使い方の説明を受け、シャワーを浴びていると脱衣室の扉が開く音がした。 「皐? 着替え置いてくからね?」 「んー」 頭が冴えていく気がする。 棗が上半身裸で俺の上に居た時点で、酔いは醒めていたのだが。 熱いシャワーを浴び、棗の声を改めて聞くと、 俺はなにをしているんだ!! と叫びたくなるほどの羞恥。 開発って……馬鹿か俺は。ふざけるなと言いたい。ちくしょうめ。 「なにしてるの? ……皐」 はっ!? 後ろをバッと振り返ると、スモークガラス越しに恐らく俺を見ている棗のシルエット。 「なにが?」 「なんか頭抱えたりしてなかった? いきなり立ち上がったり」 「頭洗ってんだよ。ストレッチと同時進行でな。もうあがるから出ていけ馬鹿」 「はーい」 棗のシルエットが消える。 俺は深いため息をつくと、風呂からあがった。 体を拭き、棗の用意してくれた着替えを着る。 下着は新品のようだ……が、なんだよ、コレ? その下着は、黒い下地に子供達に人気な、某有名実写アニメのミニキャラクターがところ狭しとプリントしてある。 両手を突きだし、水平に飛んでいる奴。 片手のみを突きだし、今まさに飛びます! という奴。 胸にある3分経つと光るランプが光っている奴も。 これを、俺に履けと。 これを…… リビングに居る一ノ瀬さんに軽く挨拶を済ませると、2階に居るであろう、馬鹿を目指し階段を登る。 棗の部屋の扉を開けると、携帯電話を手に持ちながら、睡魔と戦っている棗が目に入る。 「おい、風呂入らねぇのか」 と言うのは口実で、棗が起きたらすぐに、俺にこの可愛らしいキャラクターパンツを履かせた報復をするつもりだった。 棗の体をしばらく揺すると、重そうな瞼を上げる。 「あれ? 皐……長谷川さんは?」 どうやらまだ寝ぼけているらしい……。 それより………… 「はせがわ?」  
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