3  皐Side

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階段を降りる音を確認すると、俺は大きなため息をつく。 ちゃんと確認しないで色々すると、風呂場の二の舞になるからな。 さぁ、どうするか。 俺は、俺の気持ちは…… 俺は棗をどう思ってる? コロコロ変わる表情が面白くて、反応が新鮮で、腐った思考回路のくせに純粋で…… 堪らなく、可愛い。 ぁああぁぁあ!!! 馬鹿か! 俺は! 可愛い!! そういえば昼間も言ったなぁ!? 気色悪い!! 「皐。持ってきたよ」 そう言いながら部屋に入って来た棗の手には、1杯の水といくつかの錠剤。 「どこが痛いのかわかんないから……適当に薬持ってきた。これが頭、胃、お腹、風邪薬に、便秘薬」 便秘って……お前は俺が便秘に悩んでると思ったのか? でも……心配してるんだよな? 今だけ、今だけは俺だけを考えてくれてる……。 あぁ、俺はまたなんて女々しいことを。 「まじ、なんなんだよ……」 なにも考えずに呟いた台詞。 水を貰おうと棗を見上げると、そこには目に涙を溜めながら俺を見下す棗が居た。 「なつ……」 「な、なんなんだよはこっちの台詞だ。皐こそなんだよ。さっきまで無茶苦茶触ってきたくせに、いきなり触るなとか言いやがって。ふざけんな」 棗はそう言うと涙を流す。それを手早く拭うと、鼻をすすった。 違う、泣かせたいんじゃないんだ。 こんな顔をさせたいわけじゃないんだよ。 棗には……棗には笑っていて欲しいんだ。  
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