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だけど、願いも虚しく
戦争は激しさを増す一方で、犠牲者は万を超えた。
「葵さんから電報届いたぞ」
「えっ」
「だいぶ溜まってたみたいだ」
“スキ スキ アイシテル”
“ゲンキデスカ”
“オヘンジ マッテマス”
「………俺は…」
こんなにも、最愛の人に心配をかけていたんだ。
あの日と同じ。
返事をいくら待っても届かない
郵便受けを見て泣く葵の姿が見えた気がした。
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