307人が本棚に入れています
本棚に追加
「殿
例の者達を連れてまいりました」
護衛兵はある一部屋で止まるとそういってひざまづいた
「入れ」
中から声が聞こえると護衛兵が蛍達に向かって
「くれぐれも粗相はするな
私の首が飛ぶ」
と言うと襖を開いた
襖を開くとそこは広い座敷になっており床の間の上には右から殿様、蜜柑、女の人が座っていた
「蜜柑…」
思わず蛍は呟いて閉まった
棗と流架も驚いた顔をしている
「早速じゃが…」
殿様が蛍達を見てコホンと咳込んで言った
「お主らの芸とやらをみせてもらおうかのぅ」
「芸??」
流架が不思議そうに言った
「何を言っておる
お主らが幼いながらの芸師じゃから芸をみせる代わりに城においてほしいと申したのであろう」
殿様は当然のように言った
「げ 芸って…
い 今井!」
殿様の言葉を聞いた流架はすぐさま蛍を見る
蛍はクスッと笑うだけだった
最初のコメントを投稿しよう!