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「なんでいまさらあの時の夢を……」
過去の嫌な思い出でである出来事を夢に見た隆は、少し鬱な気分で目を覚ました。
昔はよくこの夢を見ていた。
隆は今日で24歳になる。もう15年以上も前の夢だ。
小学校の時はよくあの時の夢を見ていた。
あの当時はまだ父親が死んだという事実がよく理解出来ずに母の様子を見て立ち尽くしかなかった。
しかし、小学校に上がり、成長するにつれて目に焼きついていたあの時の母の様子を思い出すたびにあの夢を見ていた。
けど最近は、もう暫く見ていなかった。
隆は少し気が滅入った。
しかし今日は友達が誕生日祝いで飲み会を開いてくれるという事を思い出しすぐに気分を戻した。
時計を見ると14時過ぎ。
現在隆はフリーターで、近くのコンビニで夜勤の仕事をしている。
と言っても働いているのは週に3回ほどで、それ以外は、遊んでいたり、ギャンブルをしていたり、家でダラダラとしている事が多かった。
そんな隆にとってこの時間に起きる事は良くある事だが、少し寝すぎたと思いつつもベットから這い出した。
「とりあえずシャワーでも浴びるか」
飲み会は夕方からということもあって隆はゆっくりと準備を始めた。
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