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8月13日
遠くを眺め、軽く我を忘れていた。その時…
自分の後ろの方から人の気配がした…
振り返ると誰もいない駅のホール…
「気のせいか。」
と俺は思いまた前を見た。
「コツン…コツン…」
人の足音のように聞こえた…。俺はもう一度振り返ってみた…。
だがやっぱり誰もいない…
少し怖くなったが、俺はまた前を向いた…
「コツン…コツン…」
「やっぱり人の足音だ!」
次第に足音は大きくなっていく…それにつられ俺の恐怖心もドンドン上がっていった。
「しかも、まるでこっちに近づいて来ているような足音だ。」
俺は怖くなり、後ろを振り返れなくなっていた…
「コツン…コツン…コツ!」
自分の真後ろでその足音は止んだ…
俺は凄く怖かったがゆっくりと振り返った…そこには…
白眼をむいた駅員が自分の目の前に立っていて、しかもこっちを見ている状態だった。
俺は恐怖がピークに達し、体はカチーンっと固まってしまったのだった。
そして更に、駅員は手を伸ばし自分に触れようとしてきたのだ…
「ひぃぃっ!!」
俺は恐怖で固まっていた体をなんとか動かし全速力で駅員の手をかわし、逃げようと走った。
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