コイツ

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「どうして空はアオイの?」 彼女はそう問いかけた。 「どうして生殖行為が子供を産むの? 生命とかはなんで有ったの? そんなの誰が知ったの?」 藪から棒になんだよ 「ほら、あれじゃない、 不思議にならない? 結局の人間の存在する理由とか 何が其れを決めたのか。」 なんだよ? 「¨嬉しい¨時に、何故 人間は口角を上げて、口で曲線を描くの? 声をあげて、たまに涙なんかを流すの?」 それに該当するからだよ 「ほら、今決めてる。 分からないんじゃない 私も分からないの。 泣く顔と笑う顔を逆の感情に適応しては駄目なの?」 知らないよ 「定義とかみんな言うけど その定義ってなに? 人類が決め事なんか造らなければ済む話だったんじゃないの? 阿呆みたいにいろいろ作っちゃって」 逃げかよ 「違うよ みんなが定義を置いた¨地球¨に対する意見よ 科学地学天文学化け学物理学、数学文学医学生物学英学幾何学、歌学 ほら、沢山ある そんなのが全部全部なかったらさ 今頃の私たちはどうなるかな?」 馬鹿だろ。原始時代の再スタートだろ 「生命が無かったら?」 生まれんだろ 「意地悪 でもね、素敵じゃない? また再スタートなんでしょ?」 その前に地球は滅んでるかもな 「意地悪いのね、本当に 私たちがウんだ全ての¨終わり¨が、また終わるの?」 知るか、お前風情は今しかないんだよ 窓から見える自分に失望をして、 あーって、やっぱり理解する。 このチッポケな脳は何を考えて今の答えを引っ張り出したのだろうか? 寧ろ、今まさに否定とかをしていた笑顔で、俺を見上げるコイツの方がよっぽど地球らしいのか? 否定をしたから、この笑顔は嬉しい以外の感情からのものなのだろうか? いや、こいつなら嬉しいからなんだろうな 意味が分からん 詰まるところ、さっきのコイツの話で、なんか頭が焦ってる 難しいことなんか言うなよ馬鹿 俺はお前より頭良かねぇんだよ 頭をガシガシ撫でてやれば、 またコイツは笑うんだ。 やっぱり意味わかんねぇ 「存在価値とか 見いだせるわけはないよ だって、それが見いだせたら 人なんかおわっちゃうよ?」 そりゃ確かだな 俺も結局は この見透かされた脳なんかで考えるより 笑った 「空はなんでアオイのかな?」 もともとの¨あお¨を否定してないお前にはサラサラ理解できねぇんだよ またコイツは笑った。
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