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「はぁ、はぁ、」
病室から出てすぐに外まで走った。
いつもなら、これぐらいの距離は息一つ乱さないで走れるのに。
苦しい。
真田副部長が幸村部長と話しているのを見てるのが苦しい。
「赤也、どうしたんだよぃ?」
「え…?」
「病室から出て行ったから追いかけてきたぜぃ」
―――何だ、丸井先輩か…
一瞬、期待してしまった。
今、目の前にいる丸井先輩が真田副部長だったら良かった。
必死に追いかけて来るのが真田副部長だったら。
「大丈夫ッス。トイレに行ってから戻るので先に行ってて下さい」
「おう。」
丸井先輩は病室へ戻って行った。
真田副部長。俺、こんなにも真田副部長の事が好きなのに、気づいてないんスか?
苦しい。苦しいッスよ。真田副部長―――
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