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するとどういう事だろうか。
目の前にドアが現れた。
「な……!」
「さぁ行こう。」
桂木はドアを開けて私を紳士らしくエスコートした。
中は白で統一され、蛍光灯が眩しい。
廊下をすぎると広いスペースに出た。
研究院は忙しそうに走り回るわけではなく、桂木を見ると笑顔で挨拶してまた椅子に座ってコーヒーを飲むくらいゆっくりしていた。
「あ、先生!」
私達の向こう側から一人の青年が走ってきた。
「先生、また散歩に行ってたんですか?」
「お!君、調度良い時に来た!今日はただの無意味な散歩では無かったんだ。」
「また何か見付かったんですか?壊れた玩具に珍しいビン?」
青年は呆れたように桂木を見た。
「いいや、とってもキュートなお嬢さんさ。紹介しよう、動人のネコ君だ。」
桂木は足元に立つ小さな私を抱きあげた。
「動人!?」
「あぁ、可愛いだろ?あ、ネコ君紹介するよ。こちらシロだ。」
「…ども。」
「本当に動人だ…」
青年は綺麗な茶髪で背はスラッと高かった。
黒目が大きく、その目力は何か圧倒されるものがあり、私はつい目をそらした。
「…ふむ、面白い事を思いついたぞ!シロ、今日から君の部屋にネコ君を置いてくれないか?」
「え?」
「これは実に興味深いぞ!」
「…何で?」
「…フフッ、シロも実は動人なんだ。」
え?
「元々犬だったんだ。」
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