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「元々犬だった人間と元々人間だった犬が一緒に暮らす…こんな事した研究所は何処にもないぞ!」
桂木は私をシロへ渡した。
「素晴らしい!世界初だ!」
「先生はああなるとダメなんだ。」
シロは私の耳にこそっと話した。
「誰も止められない。」
「いつも?」
「そう、いつも。」
私を抱き抱えたまま話すため結構顔の距離が近い。
よく見るとシロは綺麗な顔をしていた。
少し長めの前髪で片目の半分が隠れている。
「じゃあ…一旦俺の部屋に行こう。先生はきっと当分あのままだからね。」
やれやれと笑うとシロは抱き抱えたまま歩いて行った。
後ろで興奮ぎみに笑う桂木を残して。
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