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落ち着け私…
深く深呼吸して…
ふぅ…
私はもう一度、ギンギンと私を睨みつけるコンクリートを見下ろした。
日光に照り付けられたそれらはいかにも熱そうで…失敗したら…
…いや、大丈夫。
私なら出来る…
確か言魂って本当に効くって…え~っと…そうだ、授業で先生が言ってた気がする。
私はジンクスや神なんか信じないけど、今はしょうがないでしょ。
幸いこの道は人も車もあまり通らない。
…よし、目をつむって
深呼吸して…
「…はっ!」
カッと目を開いて私は体を投げ出した。
神様!どうか着地に失敗しませんように!
「うおっ!」
フニッ
…あれ…痛くない…ん?
下を見ると中年の男が下敷きになっていた。
「上から犬が…実に不思議だ…」
男は黒と白が混じった髪で、白衣を着ていた。
「あ…すいません。学校行かないといけないので…では。」
男から降りて一礼し、学校へ行こうとすると
「…犬が喋った…」
ま、そりゃ驚くよね。
男は尻餅を着いていた腰をあげて私の元へ駆け寄った。
「面白い!君、私の研究所へ来ないか!」
「…は?」
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