森羅万象

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大学受験を見事にくぐり抜けた沙織は、18歳で東京へ出てきた。 普通ならば毎月手が出せないような土地の、大学の寮に住み始めた。 両親は、羽目をはずさないかと心配したようだが、そんなのは無駄なことだ。 沙織が自分の人生を無駄にすることをするわけがない。 人間はめをはずすと間違いを起こしがちだ。 そう考える彼女は、無駄なことはしなかった。 つまり、酒も飲まないしタバコも吸わない。 無駄な男と遊ばない。 そして、なによりも意味のない行動を取らない、だ。
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