92人が本棚に入れています
本棚に追加
ビルとビルの間は風が強い。
しかし、ビルの屋上となると、地上より風が少ないのに蒸し暑く感じるのは気のせいだろうか。
池袋のビル街を眺めながら、星を見るよりも電気の明かりが美しく見えるのだから、都会に身が埋もれてしまったのか。
沙織は、いつも常に計画をたてて生きてきた。
自分でも、母親のお腹の中にいるときから計画魔だったのではないかと疑うほどだ。
母親は、毎日朝7時になると、子宮の中から足でけっ飛ばされる沙織に起こされていたというのだから、あながち間違いではない気がする。
最初のコメントを投稿しよう!