お別れ

6/7
前へ
/53ページ
次へ
「直樹、お前遅すぎんだよ」 つるのさんが泣きながらそう言う。 「すみません、つる兄」 そう言って目に涙を溜めながら笑顔で言った。 「直樹、お帰りぃー」 オイラも泣いていた。 「ただいま、雄兄」 直樹も涙を流した。 三人で抱き締め合いながら泣いた。 そこに神助さんの声が飛んできた。 「あのな、いきなりで悪いけどお前等三人今から歌えや」 本当にいきなりだった。 だからオイラ達も、 「「「えっ?」」」 声を揃えて言った。 でも、どうやら本気みたいで。 羞恥心の衣装がオイラ達の目の前に現れた。 オイラ達の一年間の思い出がたっぷり含んだ衣装。 迷いなく着た。 着るとあの懐かしい、今でも時々色んな番組で流れる、 オイラ達の思い出の曲が流れた。 客席の盛り上がりが純情じゃない。 オイラ達の心臓の高鳴りも純情じゃない。 興奮しているのがわかった。 「笑いたきゃ笑うがいい」 直樹、お帰り。 直樹の言ってた通り、 ちゃんと空の下で繋がってたよね? end。 →後書き
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

185人が本棚に入れています
本棚に追加