読書の時間。

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キーンコーンコーンカーン。 『2年A組』 ザワザワ。 松村「……」 御津「おぅ、松村。何読んでんだ?」 松村「あぁ、御津氏。今は夏目氏の『門』という作品を読んでいる」 御津「うへぇ、またムツカシイのを読んでんな」 松村「しかし、たまにこういうのを読んでみると実に興味深くてハマるものがある」 御津「そうかぁ? 俺はその夏目漱石の『我が輩は猫である』の序文だけで読む気を削がれたぜ」 松村「うむ。やはり人の好き嫌いというのは必至だ。それならコレを読んでみるといい」 御津「ん? こりゃあ現代小説じゃないか。松村はこんなのも読むのか」 松村「現代小説なら文章表現もさほど難しくはないと思われる。そしてソレは私の一押し」 御津「へぇ。サンキューな」 松村「いや、構わない」 木岡「ふぃー。あ゙ー、疲れた疲れた」 御津「お、木岡。絡んでこないと思ったら、今までどこへ?」 木岡「いやいや、この前の読書感想文ってあったじゃん? アレの提出しに職員室へ」 御津「あー。あったっけな、そんなの」 松村「木岡氏はどういったことを書かれたのだ?」 木岡「思いついたことをぱぱぱーっと書いてやったさ。どうもああいう作文は苦手なんだわ」 御津「お前よくそれで学年一位保てんな。平常点が大変なことになっちゃうだろうが」 木岡「なんの。そんなものは点数で挽回するのさっ!」 御津「……」 松村「御津氏はどういったことを?」 御津「俺か? 俺は課題の本の主人公がちょいと悲しい役回りだったから、その立場に立って考えた感想を書いたよ」 松村「成る程。御津氏は登場人物の気持ちを考える方か」 御津「まぁ、普通だがな。そういう松村は?」 松村「私は話の全体像を見たうえで、印象に残った文章を抜き出し、そのことについて感想を書いてみた」 木岡「軍師はマメだなぁ。俺にゃあ出来ねぇぜ」 立石「おやおや。面白そうな話題ですね」 御津「おー、立石」 立石「読書ですか。僕は最近出版されたあの小説が良いと思いました」 松村「立石氏も読まれたのか。アレは登場人物が個性的で飽きなかった」 立石「確かに。あとあの登場人物達の関係も深くて面白かったですね」
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