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とある森に、うでとかた目がない人形がおちていました。
その人形はところどころぬのがやぶれており、ほつれたぶぶんからわたがかおを出していました。
そこをちょうどとおりかかった、名前のない少女はその人形をひろい上げました。
「あら、かわいそうなお人形さん。わたしがなおしてあげましょう」
そういった少女は人形を家にもってかえりました。
とんとんとん。とんとんとん。
「お人形、お人形。うでと目のないお人形。かわいそうなあなたをわたしがなおしてさしあげよう」
少女のうたう声はとてもきれいな声でした。
少女はたのしそうに糸をつむいでいます。
ことん、かたん。ことん、かたん。
「はたおりことこと、わたしはかたかた。これでお人形はもとどおり」
人形をなおしおわった少女の目の前には、しあわせそうにわらっているかわいらしいひとつのお人形がありました。
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