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約1時間の死闘の上、夕貴は小枝で倒れている子を突っついた。
よくみると、自分と同じぐらいの子だと気づいた夕貴は、勇気を振り絞ってその子の肩を叩いてみた。
夕貴「あの~」
その子は、いっきに顔をあげる。それに驚いた夕貴は、
また、その場から離れてしまった。
起き上がった子をじっと見ていると、何かを言っているように聞こえた。
「み……み…ず…みず~…」
夕貴「えっ?水?」
夕貴は、焦りながらも水という単語に気づき家へといったん戻った。
そして、コップ一杯分の水を小さな両手で持ってその子に近づく。
夕貴がコップをその子の目の前におくと、その子は力尽きた目をゆっくりコップの方に向けた。
そして、両手でコップを持ち喉をならしながらいっきに飲み干した。
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