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「プハーっ!助かったぁ~」
その子はコップを自分の膝におき、目を細くしたまま一息つく。
姿形からすると夕貴と同じぐらいで、肩の長さぐらいある茶色の髪。
夕貴「もう、大丈夫なの?」
「うん、大丈夫だよ。ありがとう」
と、笑顔で返す。
夕貴(うわっ!かわいい)
夕貴「ねぇ、名前。なんて言うの?」
「名前?陸だよ」
夕貴「陸っていうんだぁ。
てか、こんな道端でなんで倒れていたの?」
陸「…………」
質問をしてはいけなかったんだろうか。
陸の目には恐怖心が宿っていた。
夕貴「い…、いや言いたくないならいいんだ」
夕貴には、陸の恐怖心がより怖かったみたいだ。
陸は、おもむろに立ち上がると塀の壁に片手をつけもう片方を腰につけ
陸「ふっ。人生なんて、ちっぽけだぜ」
と、気取っていた。
夕貴(…いや、気取んなくていいから……)
まぁ、これが陸と夕貴の出会いなのだ。
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