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葉月が帰ったあと。
サチヨは葉月の依頼を引き受けたにも関わらず、のんびりとイスに座っていた。
その顔は無表情であったが、何やら考えているようだった。
そんなサチヨを心配するように見ている目があった。
その目の主はスクッと立ち上がり、サチヨに近寄った。
サチヨの前でたちどまると、サチヨはチラッと近寄ってきた者を見た。
「サチヨよ…先ほどの依頼、やはりワシがやろうか?」
サチヨを気遣うような声が部屋に静かに響いた。
その声にサチヨは少しの間、何の反応も見せなかった。
サチヨ、と再度名前を呼ばれてやっと、サチヨは反応を見せた。
「じい様、ありがとう。でも、この依頼は私がやります。」
強い意志をもった声でサチヨは言う。
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