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それは葉月の依頼が依頼だからだった。
サチヨは葉月の父親のことを知っていた。
自分の父親の友人だったからだ。
サチヨの父親は葉月の父親の無実を信じ、最後までかばった。
それによって、サチヨの父親は葉月の父親と一緒に切られてしまった。
サチヨの父親は葉月の父親のように死にはしなかったが、切られてから3日たつというのに、意識は未だに回復していない。
そのせいで、サチヨの母親は死人のような生気のない目で父親の横にただぼ~と座ったままとなった。
サチヨの母親はよく笑う人だった。
笑顔が似合う美人さんだった。
なのに、笑わなくなった。
サチヨが大好きだった笑顔を母親は失ってしまった。
今回の依頼はサチヨにとって嫌な記憶を思い出してしまうつらいもの。
だから、サチヨの祖父も、サチヨを心配したのだ。
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